CityScape

映画レビューとか日常とか

小説

魔法少女 フォーチュン•ダイヤ

ここは日本のどこかにある小さな商店街。活気ある声がこだまする中、ひときわ甲高いご機嫌な歌声が聞こえてきた。 「コロコロコロッケ、コーロコロ。コロコロコロッケ、コーロコロ」 そう軽快にスキップしながらやってきたのは、十一、二歳くらいの少女だっ…

六月のグレゴール (1)

その夜の月は、やけに赤かった。それが輝く夜空の下を一人の男が、ほろ酔い気分で歩いていた。彼の名前はグレゴール・パーカー。今のハリウッドをときめく人気俳優だ。大学生の頃にこの業界に入ったグレゴールは、演劇サークルで培った演技力と持ち前の端正…

メタモルフォシス

その日は、やけに静かだった。気がつくと、ぼくは薄暗く狭苦しい空間にいた。 「どこだ、ここ」 ぼくは体を動かそうとした。しかし何故かうまく動かせなかった、と言うよりは動けなかった。ぼくはどこにいるんだ。そう言おうとしたけど、声が出せなかった。 …

女王様bot

恋人botが広まってから一ヶ月。青年は、同僚にチャット上でこんな依頼を受けた。 「あのさ、みんなのやる気を高めるbotって作れないかな」 「はあ?」 botだけで人のやる気を操作できるやつがあるか。青年は心の中でそう突っ込んだ。 「最近リモートワークに…

OS狂想曲-未来の戦争 Ⅳ-

軍事OS。二〇二〇年代末に登場したそれは、瞬く間に世界各地の軍隊に浸透し、二〇三〇年代半ばになる頃には、各軍隊につき一つはあるというほどに普及した。数あるその中でもアメリカ軍が保有している”イーグルサム"はAIが収集した情報を元に作戦を立案した…

ピクシー部隊-未来の戦争Ⅲ-

二月某日。その日のサンフランシスコ沖は、少し荒かった。激しい波間にたゆたうボートは、何秒か置きにガタガタと揺れ、おれに若干の吐き気を催させた。少し気分を変えようと、はしごを登って操舵室のあたりに顔を出すと、湿った生暖かい風が頬を撫でた。別…

デジタル・ゴースト-Ship of Theseus Ⅱ-

墓地を巡るのが、好きだ。死者の人生を垣間見ることができるから。でも、最近は技術の変化によって、生と死の境界線が曖昧になっているような気がする。 「みちる、この間、友達とドライブに行ってきたよ」 おれは、今パソコン越しに一人の女性と会話してい…

恋人bot

時は二〇二X年。コロナ禍の影響で、リモートワークが一般化した時代。ある小さなアパートの一室で一人の青年がこたつの中でゴロゴロしていた。彼は長い間自宅で仕事をしていたために寂しさを感じていた。こんな時にやることといえば、床に寝転がりながら甘美…

Ship of Theseus

ある晴れた日曜日。広い催事場で同人誌即売会が行われていた。代償様々なサークルが軒を連ねる会場の一角で一人の売り子の青年が大きなあくびをしながら店番をしていた。彼は、知り合いの手伝いでここにいるのだ。 「暇だな……」 彼は両手で頬杖をつきながら…

Mr.グラインド

これは、わたしの大学時代の友人であるエフ氏の話だ。彼は、インプランタルデバイス–体に入れるタイプの電子機器のことだ-の研究をしていた。研究に邁進することはいいことなのだが、それに没頭するあまりに自分をおろそかにしてしまうのではないかと考えた…

S線上のワルツ-未来の戦争 Ⅱ-

時は近未来。アメリカの米軍基地にて、AIが操縦する無人戦闘機と、人が操縦するそれまでの戦闘機の模擬戦が行われようとしていた。マックス・スティーブン准士官率いる開発チームは、自分たちが手塩にかけたAIが勝利すると信じていた。過去の戦闘や模擬戦の…

「CityScape」へようこそ

ようこそ! 11月のトップ画像 このサイトは主に小説などのテキストコンテンツを置いています。どうぞゆっくり見ていってください! これまで書いたもの オリジナル 単発 理科ちゃん Mr.グラインド 恋人bot 女王様bot メタモルフォシス いじめ撲滅デバイス 名…

REAL-未来の戦争 I-

ここは米軍基地内にあるガソリンスタンド。電気自動車が普及し、従来の自動車が記憶の片隅に追いやられて久しくなったこの時代、アメリカ国内でたった一つ残されたここは、軍にとって重要な役割を担っていた。 給油担当のダニエルは、同僚たちと共に給油タン…

理科ちゃん

正世は、保育士だ。彼女はこれまで百人近くの子供を育ててきたベテランだった。しかし、最近ある一人の園児のことで悩まされていた。 昼下がりの保育園は、園児の甲高いはしゃぎ声で満ちていた。庭で走り回る男の子、屋内でままごと遊びに興じる女の子。そし…

更新しました

prologue-nola.com 結婚の許しを得るべく彼女の実家を訪れた男を待ち受けていたのはロボットだった⁉︎

Mr.PAiN-ミスター•ペイン-

0.2019/12/24 2019年。ここ最近のアメリカ合衆国は内戦に明け暮れていた。一体どこの誰かが始めたのかわからないが、国内のどこかで起こった小さなソレがだんだんと全土に広がっていき、気づけばテレビやラジオ、さらにネットのニュースは内戦についてのニュ…